las barcas 音楽とアートの旅を。

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「Paradigm」根間智子展覧会

2015.12.18

las barcasメンバーの根間智子氏が東京表参道画廊にて、2016年1月18日(月)より写真展を開催します。

また、2016年2月19日(金)からは、沖縄宮城島にある根間氏のギャラリー「space 青燕」にて同展覧会を開催します。

キュレーションは、同じくlas barcasメンバーの岡田有美子氏が担当しています。

お誘い合わせの上、ぜひ足をお運びください。

 

根間智子「Paradigm」写真展

根間智子写真展『Paradigm』詳細情報

 

沖縄を拠点に発表を続ける美術家で、写真集「Paradigm」が小舟舎から刊行された
根間智子さんの展覧会を東京・表参道と沖縄・宮城島の二会場で開催します。
700部限定の写真集は、会期中会場で買う事ができます。

 

「Paradigm」
根間智子展覧会 SATOKO NEMA EXHIBITION

 

○東京展
2016年1月18日(月)ー30日(土)日曜休 12:00-19:00(最終日17時まで)
主催/明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻・表参道画廊
企画/岡田有美子
トークイベント 根間智子×岡田有美子 1月18日(月)18:30-19:30
会場/表参道画廊

 

○沖縄展
2016年2月19日(金)〜28日(日)月曜〜木曜休み 12:00-17:00
会場/space 青燕
〒904-2425 沖縄県うるま市与那城桃原428-2 瑠庵+島色2F
TEL/FAX:098-977-8086

 

銀箔、ガラス、印画紙等、多様な素材、手法によって、事物の重なりの痕跡に目を凝らし、身近なものとして定式化された風景のあり方を熔解させることを試みてきた根間智子。新刊の写真集『Paradigm』に収められている流線を留めた複数のイメージの連なりは、見なれた風景の含み持つ、不穏な表情をとらえています。沖縄と東京、二つの会場で『Paradigm』を展覧会として再構成します。

 

根間智子プロフィール
1974年沖縄生まれ。現代美術家。沖縄県立芸術大学非常勤講師(絵画/陶芸〔硝子〕)。写真、絵画、硝子、映像作品を発表。主な展覧会に2008年現代美術の展望「VOCA展」(上野の森美術館)、「流漂」写真展(gallery atos/沖縄)。2012年「ART IS MY LIFE」(沖縄県立博物館・美術館)など。

根間智子写真集『Paradigm』発売!

2015.10.13

las barcasメンバーの根間智子氏が、自身初となる写真集を発売いたしました。

当サイトのお問い合わせページからも購入依頼を受け付けますが、出版元の小舟舎HPにても受付可能です。

 

paradigm

 

 

Paradigm
根間智子

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風景はそこに存在し、「私」だけが時速60キロで動いている。

右側の目線にある雑草はすごいスピードでなびくため、
海のようなさざ波にみえてくる。

その上部にみえる小さな鉄塔はある一点を超えなければ、
ほとんど動かずにそこにある。

普段みえている風景が、なにか奇妙な時空とともに出現したように思えたのです。

-根間智子 (las barcas別冊p44より)

—————-

 

沖縄在住の美術家根間智子が、生活の中で撮影した沖縄の風景を、時間や空間の概念を超えて映し出す渾身の一冊です。

私たちが見ている風景とは何か、そもそも見えることとは何かを、
根間自身が問いながら撮影。

写真を見る人の視覚を惑わせ、深い思考を呼び起こし、
永続的な問いを根間の写真は提示します。

 

Books info

Paradigm 根間智子 ISBN978-4-908160-02-8 C0072
金額 3500円+税
サイズ、ページ 148×225mm 74ページ
発行日 2015年6月23日
部数 限定700部
装丁 サイトヲヒデユキ
寄稿 新城郁夫
翻訳 クリストフ・トゥニ

「OKINAWA Landscape」山城司雄・宮里秀和・根間智子・児玉美咲

2015.05.25

5月26日(火)ー31日(日)まで、las barcasメンバーの根間智子が東京谷中にあるギャラリーTEN/てんで開催されるグループ展に参加します。
東京で根間氏の作品が見られる貴重な機会です。ぜひ足をお運びください!
現在、根間智子写真集を目下制作中で、6月下旬ごろ発行予定です!!決定しましたらお知らせいたします!

DM_OKINAWA-Landscape_01

5月26日(火)ー31日(日)  「OKINAWA Landscape」山城司雄・宮里秀和・根間智子・児玉美咲
沖縄生まれ、沖縄県立芸術大学出身、沖縄在住作家4人による展示です。

ギャラリーTEN/てん HP
〒110-0001 東京都台東区谷中2-4-2
Tel&Fax: 03-3821-1490

ドキュメンタリー千波万波@沖大ミニシアター

2015.03.12

3/14(土)に、『ドキュメンタリー千波万波@沖縄大学ミニシアターVol.1』が沖縄大学で開催され、las barcasメンバーの濱治佳がトークを行います。

お誘い合わせの上、ぜひ足をお運びください。

 

2015年3月14日(土)
①「我々のものではない世界」(2013年グランプリ作品)

14:15 *上映後トーク有 若林千代(沖縄大学)×濱治佳(YIDFF事務局)
18:50

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マハディ・フレフェル監督作品/パレスチナ
北欧に移住したパレスティナ難民の監督が、かつて住んだレバノン南部のパレスティナ難民キャンプに里帰りするたびに撮影した映像と、父の残したホームビデオなどを織り交ぜ、家族や友の歴史、難民キャンプの変貌を、素直な語り口ですくい上げる。パレスティナの置かれている悲劇的な状況が、当事者でもなく、完全な第三者でもない視点から紡がれていく。タイトルは1972年に暗殺されたパレスティナ人作家、ガッサン・カナファーニーの小説名からとられている。
http://www.yidff.jp/2013/cat013/13c029.html

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②「アメリカ通り」(2009年小川紳介賞)

12:30
16:35 *上映後トーク有 宮城公子(沖縄大学)

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キム・ドンリョン監督作品/韓国
米軍基地が面積の約40%を占める東豆川(トンドゥチョン)市の一角にある「アメリカ通り」。ここで40年以上働いてきた韓国人女性「K」の身体に刻まれた基地村の歴史を紐解きながら、ロシア人、フィリピン人女性たちがクラブで働き、「不法就労」の摘発・強制送還が絶えない現在を映す。米軍基地という構造的(性的)暴力と背中合わせに、彼女たちは米兵や同郷の女性たちとの生活基盤を築き、未来を自らの手で切り開き、この居場所に生を託す。
http://www.yidff.jp/2009/cat043/09c060.html

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山形国際ドキュメンタリー映画祭上映作品を中心に国内外のドキュメンタリーを選りすぐりで連続上映、はじまります!

主催    沖縄大学地域研究所・地域共創センター
ドキュメンタリー千波万波小組
協力    山形国際ドキュメンタリー映画祭
亜際書院/MATアジア現代思想計画那覇事務局
問い合わせ 沖縄大学地域研究所・地域共創センター
tel 098-832-5599

 

 

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【書評】沖縄タイムス読書欄las barcas別冊掲載記事

2015.01.18

1月17日付沖縄タイムスの読書欄に、話題の本として、las barcas別冊の書評を掲載して頂きました。
執筆頂いたのは、las barcas1に小説で参加して頂いた崎浜慎さんです。

沖縄タイムス読書欄las barcas別冊書評

実は、掲載されたのは短縮版で、記事より少し長い文章を最初に執筆頂いていました。
崎浜さんに許可頂き、長文バージョンも掲載させて頂きます。合わせて一読ください。

 

◇◇◇

 

 こちらは地に足をつけて真っすぐに立っているのだから、風景は安定して確固とした輪郭を保って見えるはずであるが、どうにもそのようには思えない。少し角度をずらされただけで当たり前だと思っていたものが異様に見え、自分の体が揺らいでいく気がする―。
 私たちが見ていると思っている風景は本当に「風景」なのだろうか、ということをアート総合雑誌las barcas(小舟たち)は問いかけてくる。
 そういう思いにとらわれながらページを繰ってゆくと(すべすべとした紙質を指先で触れることの心地よさ)、あちこちに「見ること」の「不安定さ」が見受けられるのではないか。根間智子のどこまでも揺らいでついには輪郭を失っていく風景写真から始まり、仲宗根香織の喪失した色と光の残像が印象的な写真、阪田清子の点と点をつないだ切り絵状のオブジェなど一見静かな作品たちは、その内に不穏なものを抱えている。
無人の風景が続く写真の中で、山城知佳子の流れていく「水」の写真には人が写っている。しかしその人たちもまた穏やかならぬ風景の一部ではないのか。
 いま、この風景に向き合い不安定に揺れている「私」は、自分が所属し生きていかざるをえない「沖縄」の風景についてどうしても考えずにはいられない。そのとき、鷹野隆大が切りとる沖縄北部の開発にさらされた傷だらけの風景は、私たちはこういう無残な場所に生きているのだということを示してくれる。
 しかし、写真家にとって風景は東京や外国であっても、つまりどこでも構わないはずだ。「沖縄」を特殊な場所だと想定してしまう枠から逃れること。生きるということは、不安定であること、傷を負うことをいや応なしに引き受けることであり、生きていく場所とは私たちが立っているこの場のことでしかないが、そこが「沖縄」と呼ばれているだけなのだ。どこでもない場所で自己の身体が感知するものだけを頼りに、小舟たちは寄り集い、また離れていく。
 この美しい雑誌を評するための言葉はたぶん不要であろう。ただぺらぺらとめくっていき写真たちとの邂逅を楽しみ、何度でも好きな写真の前に立ち戻り時間を共有すればよいはずである。それでもあえて言葉を用いるとするなら、冒頭に置かれた親川哲の小説「櫛」にある「なまえがなくても、じぶんたち、生きてきてるしよ」をそのまま引用するのがふさわしいのではないだろうか。
(崎浜慎・作家)

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